兵庫医大眼科学教室はアットホームな雰囲気があり、困ったときにはいつでも誰でも相談に乗ってくれるという医局です。昨今の医学は日々進歩を遂げており、高度で専門的な診断・治療が求められる場面に出くわすことは珍しくありません。眼科の各分野の専門医どうしの連携プレーが重要となります。当教室では、日常診療での難局を個々人が抱え込むことなく、皆で相談しながら連携して解決していっています。日頃の親密で協力し合える雰囲気が、真価を発揮することになります。
日常診療以外の臨床・基礎研究に理解がある医局でもあります。診療に真剣に取り組むと必ず疑問にぶつかります。成書や論文などを調べても、正しい答えにたどりつかないことは珍しくありません。そのような時に自分なりの仮説をたて、その仮説が正しいのか間違っているのか検証するということが研究だと思います。大学院は仮説をたてそれを検証する過程を系統だてて学べる場です。
私の場合は、いまだに克服できない疾患がいかに多くあるのかということに衝撃を受け、一度失われた機能を再生させて根本治療をめざす再生医療という分野に興味を持ちました。そして大学院に進み、本学の先端医学研究所神経再生研究部門で、中枢神経における神経幹細胞についての研究を行いました。基礎研究を通して新たな知見を導き出すことの面白さに触れることのできたよい機会だったと思っています。
研究成果は当然ながら広く発信したくなります。当教室は学会への参加を積極的に奨励しています。国際学会へ参加するメリットとして、自分の発表に対して世界的な視点で意見をもらえること、本邦ではまだ導入されていない最先端の医療や新たな疾患概念に触れることができることなどがあります。その分野での世界的なオピニオンリーダーの最先端の発表を生で見聞きしたり、高名なDrを直に見たりした時は感動します。また自由時間での観光や食事などその国独特の文化を楽しむといった国際学会ならではの楽しみもあります。一生に一回しか行かないかなというようなマイナーな開催国だったりするとそのような機会は更に貴重なものとなります。
最後に、臨床現場では自分の思った通りに行かないことや悩むことも多くありますが、だからこそ気軽に相談できる仲間がいて、リラックスできるアットホームな風通しの良い環境で研修するということが良いのではないでしょうか。兵庫医大はそれができる医局だと思います。